ソーラーフロンティアで収益をアップさせる
テクニック2 集積配置
前回の記事では「過積載で収益性を上げる」というテクニックを紹介しました。
しかし、過積載にすると必要となる土地の広さが膨大になってしまうと言う欠点があります。150%の過積載をするためには当然150%の土地が必要となってしまいます。
今回は「狭い土地でも過積載をして収益性を確保したい!」という方向けのテクニックをご紹介します。
南側の影を容認する集積配置
まずはこの図を見てください。
通常の太陽光発電所では一番太陽が低い冬至の頃の昼間に南側のパネルの影がかからないように、アレイ間隔を設計します。
パネルの角度や緯度によってこのアレイ間隔は決まってきます。
狭い土地の場合、このアレイ間隔が非常に悩ましい問題になってきます。
太陽光パネルの場合、パネルの一部に影がさすとそのパネルの発電量が急速に落ちますし、それが原因となって直列につながっているストリング全ての出力が落ちてしまうのです。
通常の結晶系パネルの場合、10直列以上繋いでいくことも多く、1枚のパネルに影がさしただけで10枚のパネルに影響が出てしまう可能性もあるのです。
これでは狭い土地に対して過積載を仕掛けていくことなどとてもできません。
ソーラーフロンティアなら影を容認してアレイ間隔を詰めることができる
実はソーラーフロンティアのパネルはこの南側のアレイの影の影響を最小限に抑えることができる構造になっています。そのため、下の図のようにアレイ間隔を詰めることができます。
もちろん影になっている部分は発電しません。ですのでロスは出てしまいます。しかし、ソーラーフロンティアのパネルは上手に設計すると「影の影響を最小限にすることができる」のです。
集積配置を行う上での施工上の注意点
集積配置を行う上での注意点は縦置き+横ストリングつなぎをしっかりと守ることです。
ソーラーフロンティアのコネクターは縦にも横にも自由につなげる長さになっています。集積配置を工事店さんにお願いする際には是非この点を注意して施工を依頼してください。
レイアウトの比較
実際に私がパネルレイアウトをしてみました。通常の横置きレイアウトと、縦置き過積載+集積配置のレイアウトです。
一定の広さの土地に対し、パネルが占める面積が明らかに増えています。
ちょっと手狭な土地ですが、見事に過積載の案件に生まれ変わることができました。
このように、集積配置をうまく使うと「限られた土地面積」の中で「最大限の収益性」を確保することができるのです。
それでは次に、収益シミュレーションを見てみようと思います。
実際のシミュレーションの比較
これは集積配置と過積載を配慮したソーラーフロンティアのメーカーシミュレーションの結果になります。この2つの手法を組み合わせてどれくらい売電ロスが出ているのかみなさん気にされると思います。
千葉市の事例としてある土地に対して通常配置(1662mm間隔で55.08kW)した場合と集積配置を利用した過積載化(1000mm間隔で73.44kW)した場合の発電シミュレーションです。
パネル容量を 55.08kWから73.44kWにアップ(133%アップ)し、それに伴い最適なアレイ間隔からは40%集積させた配置。
しかし、発電量は66,909kWhから86,912kWhへち129%アップしています。
この結果をどう評価するかは投資家の皆さんのご判断に成ると思いますが、想像していたよりも売電ロスが少ないと感じた方が多いのではないでしょうか?
収益性の比較
では実際にこの案件を組み立てた場合のシミュレーションをしてみようと思います。
太陽光発電ムラ市場のセット価格を参考に送料等を加味してモデルプランを作ってみました。工事費は地域や時期、土地の形状などによっても違うんですがkWあたりの工事単価で5.5万円としてみました。土地価格は350万円の買取としました。
集積配置 | 通常配置 | |
---|---|---|
パネル枚数 | 432枚(73.44kW) | 324枚(55.08kW) |
パワコン | OMRON5.5kW 9台 | OMRON5.5kW 9台 |
部材費概算(千円)(*1) | 13,000 | 10,000 |
施工費概算(千円)(*2) | 4,015 | 3,000 |
土地価格(千円) | 3,500 | 3,500 |
売電収益(千円)(*3) | 2,086 | 1,606 |
表面利回り | 10.16% | 9.72% |
(*1)部材費:パネル、パワコン、架台 および送料
(*2)地域や工事条件により異なります
(*3)24円の売電単価で試算
いかがでしょうか? 実際に集積配置と過積載で収益性が向上することがお分かりいただけたでしょうか?
ポイントはパネルと架台が変動的に増えていくのに対して、パワコンと土地代は固定価格であることが1つ。そしてもう一つはソーラーフロンティアはアレイ間隔を狭めることができるということです。
国産で設備認定を取りたいという方やすでにソーラーフロンティアで設備認定を取られているという方。ぜひ収益性を改善する際プランニングをしてみてはいかがでしょうか?
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